日本では、大学受験でコンピュータ・サイエンス系の学部へ進学する学生が減 っているのだそうです。IT分野の技術者というのは、スキルが求められる高級専 門職にもかかわらず労働環境が過酷で、それでいてひとたび何かあると重い社会 的責任が課せられる仕事、つまり割に合わない仕事だというイメージが彼らの中 に広がってしまったようで、みんな尻込みしてしまうのだとか。
しかし、それが妄想かというと残念ながら違うのです。確かに私の友人たちを 見ていても、ほんとうによく働いています。コストパフォーマンスを重視するた めか、人手不足のためか、少数精鋭主義のところが多く、ひとたびプロジェクト が始まると終電で帰れるようならいいほうで、ピーク時は土曜日も日曜日もなく、 納品日まで何日も会社に泊まり込む日々が続いています。裁量労働制の名のもと に残業代もきっちりカウントされないので、外から見るとまるで丁稚奉公してい るみたいです。来る日も来る日も仕事づけで疲れており、どこにも行けず、誰に も会えず、時事は知らず、いったい何が楽しくて生きているのだろうと思うとき があります。
_ せつない。