Last modified: Mon Jan 1 23:51:41 JST 2001

読んでる本 その2

下のほうほど昔です。



  1. イン ザ・ミソスープ:村上龍著
    読売新聞社:定価1500円+税:ISBN4-643-97099-5
    ハードカバーで新しいのが刊行されていたので、 すぐ手に取ってレジに歩いて行きました。
    村上春樹作品を読んでいると何かのんびりとした柔らかい気持ちになります。 "ノルウェイ"のような重い物語の場合でもそれは変わりません。 それは多分、あの言い回しや言葉の選び方によるものだと思っています。
    しかし、僕にとって、村上龍作品はまるで逆です。 表現はとげとげしく嫌悪感を伴う言葉がたくさん出てきます。 でも、それは否定できない現実的で適切な表現であるとも思えます。 それゆえ、僕はいつも村上龍作品に引き込まれてしまうのでしょうか。
    読後にいろいろなことを考えてしまう、 僕にとってそれが最も多いのはいまのところ村上龍作品ですね。

  2. OPEN DESIGN No.8 電子メール・システム完全マスタ:CQ出版社
    CQ出版社:定価1800円:ISBN4-7898-3531-6
    今更ながらメールの本を買ってしまいました。
    職場のドメイン管理をしているのでそれなりには知っていましたが、 ほんとに必要なところだけをかいつまんで知っているような状態だったので、 一度ちゃんと整理しておこうと思って購入しました。
    特にMIMEの解説は面白かったです。今までMIMEって適当に理解してましたから。 やっぱりRFCは読まなくちゃ駄目ですね。(何をいまさら!と叱られますね =p)

  3. 銀河英雄伝説 6 飛翔編:田中芳樹著
    徳間文庫:本体価格???円:ISBN?
    当然これらは読んでます。 毎月新しいのが出てないか書店を覗いてますもの。=)
    読み終わってすぐに友人に貸してしまったので 細かいデータが今は分かりません。

  4. 銀河英雄伝説 5 風雲編:田中芳樹著
    徳間文庫:本体価格600円:ISBN4-19-890717-X

  5. 失楽園(上):渡辺淳一著
    講談社:定価1400円:ISBN4-06-208573-9
    あまりに騒がれているので乗せられて買ってしまいました。。。
    が、
    めっっっっちゃくちゃ、つまんないです!
    なんだか怒りを覚えるほど面白くないです。 村上龍の「5分後の世界」はこれを読み終えてから読むはずだったのですが、 半分ほど読んで、もう耐えられなくなり、あちらを読み始めてしまったのです。 まるでとてもまずい食事をしてしまって、その口に残った嫌な味を消すために 他のおいしいもので口直しをするかのように。(そちらはかなり美味でした)

    最初の1ページ目からえっちな描写でした。噂どおりなんだなぁ、 と読み始めたのですが、読み進んでいってもそればかり。 これはもう官能小説と言ったとしてもまだまだ甘いです。 これは「エロ小説」と言った方がよっぽどしっくりきます。 それほどにベッドシーンが多くて、濃くて、そして、くどい。
    愛情の表現に欠かせない、といった種類のものではなく、
    ただえっちな描写が書きたいだけなのではないか?
    と思えるほどです。
    何故、あれが流行っているのか僕には全く理解できないです。

    思い通りに楽しくいかなかった人生に、 くたびれつつも、いつかあわよくば、、、 と艶やかな情事を夢見ている中年の多勢が、 叶わぬ夢をこの物語に重ね合わせて悦に入っている。
    としか僕には思えない。。。
    読み進めばもっと深い「何か」があるのかもしれない。
    でも、そのためにあの不快な時間をさらに重ねる気にはならないなぁ。

  6. 5分後の世界:村上龍著
    幻冬舎文庫:定価(533+税)円:ISBN4-87728-444-3
    またまた村上龍を読みました。 本人も最高傑作と言っていますが、その通りに一番面白かったです。 実質2日で読んでしまいました。最近の僕にしては異様に速いペースです。
    突然、5分だけ時間がずれた別世界に来てしまった主人公、小田桐。 でもそんなことはどうでもいいのです。 物語でもそんなことには全然触れていません。
    来てしまった世界、そこはゲリラ活動を展開している敗戦国、日本でした。 小田桐はただひたすらにシンプルなロジックで行動します。 ただ生き残るために。
    相変わらずのどぎつい表現ですが、そんなのは全く気にならない程に 引き込まれました。(これも相変わらずですが) 50ページもの戦場での戦闘シーンも、生々しくもリズム感のある描写により まったく長さを感じさせません。ほんとうに面白いですよ。

  7. 銀河英雄伝説 4 策謀編:田中芳樹著
    徳間文庫:定価620円:ISBN4-19-890689-0
    フェザーンの脚本と演出で幼帝エルウィン・ヨーゼフII世が、 ランズベルク伯アルフレットとレオポルド・シューマッハにより誘拐され、 自由惑星同盟政府の援助のもと、同盟首都星ハイネセンに銀河帝国正統政府を 樹立します。これにより同盟はラインハルトに同盟を攻略する大義名分を 与えてしまい、若い金髪の帝国宰相は思惑通りに「神々の黄昏」作戦を 実行に移し同盟領への大攻勢をはじめます。

    この巻では艦隊戦はほとんどなく、銀河帝国のラインハルト、 自由惑星同盟のヤン、フェザーン自治領のルビンスキーの3者の 策意の攻防が主体となり、それがまた大変面白いのです。

  8. ラブ&ポップ:村上龍著
    幻冬舎:定価1400円:ISBN4-87728-135-5
    女子高生がささいなきっかけから援助交際をするということを書いた小説。
    この今や流行りを追うように思えるテーマでも、これを村上龍が書くとすごい。 相変わらずの重い文章なのに、読むほどにぐいぐい魅かれていく。 女子高生の知合いなんてもういないから、この年代の娘たちが実際どうなのかは よくわからないけれども、それでもこの本に出てくる主人公の女子高生"裕美" がとてもうまく描かれている。本当に人物描写がうまい人だと思う。
    今読んでいるところは裕美が援助交際の最後まで行こうとしているところ。
    一体どうなるんだろう?
    援助交際をしようと決心したあの目的は達成できるんだろうか?
    続きを読むのが楽しい本である。

    この本の帯から一部抜粋します。

    <裕美>みたいな子が、もし、1人もいなくなっちゃうんだったら、
    もういつでもいいからやめたい。
    そのくらい音楽を創る原動力になっているんです、
    彼女の、というか、
    あなたたちの感性は……。

    小室哲也

    読み終りました。
    まるで実在する女の子のことを書いているかのような巧みな人物描写。そして 最後に描写される裕美が見た夢。思わずほっとしてしまいました。
    巻末のあとがきで著者は

    私は、あなた達のサイドに立って、この小説を書きました。
    とあります。ほんとうにその通りだと思いました。
    そして現在の病んだ東京(というか都会)の一面をかいま見るかのような 物語でありながら、まだそこまでは腐ってないんだという安堵感に包まれる とても読後感のさわやかな小説でした。

  9. 銀河英雄伝説 3 雌伏編:田中芳樹著
    徳間文庫:定価620円:ISBN4-19-890652-1
    ヤンがハイネセンで不当な査問会に耐えている間に ガイエスブルグ要塞がイゼルローン回廊へのワープに成功し 要塞対要塞の戦闘がはじまります。
    ユリアンの用兵家としての資質が現れはじめ、 ケンプはヤンと対峙し敗れ戦死します。
    この巻ではざっと言ってこんなところですね。

  10. 銀河英雄伝説 2 野望編:田中芳樹著
    徳間文庫:定価620円:ISBN4-19-890624-6
    読んでないのも読みかけのもまだたくさんあるのに、 結局銀英伝を読んでます。:p

  11. 銀河英雄伝説 1 黎明編:田中芳樹著
    徳間文庫:定価620円:ISBN4-19-890592-2
    アニメビデオを観てすっかりハマり、今では原作小説の方にまで 手を出してしまいました。読んでみるとやはり面白かったです。 当然ビデオよりも描写が細かくていいですね。 田中芳樹さんは初めて読みますが、ストーリーはもちろんだけど 文章も読みやすくいっきに読めますね。
    ラインハルトとヤンと二人の主人公の話が平行して流れていて、 それがどちらも面白いからすごいですね。 こりゃ最後まで読むな。=) (刊行15周年愛蔵文庫版は10で完結)

  12. ビッグバンには科学的根拠が何もなかった:ジャン=ピエール・プチ著
    竹内 薫[監修]:中島弘二[訳]
    徳間書店:定価1800円:ISBN4-19-860547-5
    タイトルに魅かれて買いました。内容はタイトルの通りです。 序文から少し引用しましょう。
    暗黒物質とか、ブラックホールとか……今や宇宙論や宇宙物理学は、 なだれのように言葉を羅列して、分からないことのカムフラージュに 大忙しなのである。その実態をこれからお目にかけよう。
    ということで、この本ではまず今までの矛盾をやさしく説明し、 その後、この人の考えた新理論を解説しています。 その理論が証明されればそれらの矛盾も説明がつく、と。
    読んでて確かに分かりやすかったですが、長いこと物理なんて離れていたので やたらと出てくる物理定理なんかはほとんど忘れてましたね。 読後の感想は『ほうほう、なるほどね。なんとなく』(^^;ってところ。

  13. パプリカ:筒井康隆著
    中央公論社:定価1500円:ISBN4-12-002236-6
    実は1年程前から読みたいと思っていたし、 実際1ヶ月位前には買っていたんです。
    夜寝つけなくて少し本を読もうと思ったんだけれど、 なんとなく夏目漱石を読む気分じゃなかったから 今日はこの本を開いてみたんです。
    やっぱり面白いです。20ページも読んだら眠れるかと思ってたけれど 全然止められない程に面白い。 100ページも読んでしまった。まだまだ読みたいくらいだけれど、 朝起きられなくなってしまうから諦めた。

    やっぱりSFなんだけれど現実的な設定だから嘘くさくないのがいい。 それに登場人物の設定もバランスがよくて気に入っている。 感情移入って程でもないけれど 親近感が持てるし魅力的なキャラクターがいる。
    もっと早く読み始めればよかった。:)

    ついに終りました。こんなに時間がかかったのは面白いゆえに ゆっくりじっくりと読みたかったから。だから、電車に乗りながらちょろちょろ 読んでいくなんてやりたくなかったんです。
    前半だけでも十分にそうなんだけど、後半はこれまた筒井泰隆らしい 絶妙なSFになってきて実に面白いです。
    是非、一読をおすすめします。=) この人は短編もいいけど長編の方が より面白いですね。

  14. テイクダウン(上):下村 努/John Markoff 共著:近藤純夫 訳
    徳間書店:定価1500円:ISBN4-19-860501-7
    ハッカー、ケビン・ミトニックを捕まえるまでのノンフィクションです。 この事件については何冊か出版されてましたが、 当事者が書いているということでこの本にしました。
    しかーし、ケビン・ミトニックをどう追い詰めていったのか、 その技術的な過程に興味を持ち、この本に向き合っていたためか、 かなり読み進むのは辛かったです。
    なぜって? だって下村さんの意中の女性との思い出話の比率がとても 高いんだもの。そんなもの自伝かなにかで書けばいいのに、と思った。 そんな彼自身のことなんか興味はないし、 そんなことに700円近くも費すほど酔狂でもない。 だから下巻を買おうとは少しも思わなかった。


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