ついにジャンク屋の世話になる


久しぶりに秋葉原に行った. 研究室の同僚のシドリ君と一緒である. シドリ君は Mac の人であるが, 最近 Linux の人でもある. 彼はハードウェアにも造詣ならびに情熱が深く, 特にナゾな Mac が落ちていると我慢できずに拾ってきてしまうという カルマを背負った人である. 一方, 俺はせいぜいユーザプログラムくらいにしか興味が無い.

後輩が HiNote Ultra のディスプレイ 本体連結可動部を壊したので, そのパーツでも漁りにいくか, ってかんじだった. あちこち廻ったが, HiNote Ultra のジャンクはなかなかない. てゆうか, ボーナスという名の実弾抱えたリーマンが 激戦を繰り広げたあと, ということもあって, 全般的にペンペン草も生えてないってかんじだった. 噂では先週末など, 街からノートパソコンとデジカメが 消滅したらしいからのう.

わしは, ジャンク屋とかパーツ屋とか, 実は全然詳しくないのだ. いつも店は友達に連れて行ってもらうだけで, どこが安いのか, 品が揃っているのか, などといった情報は, 俺自身はよくしらないんですよ. 今回も, シドリ君が廻ったジャンク屋で, 俺が知ってた店は 2 軒だけだった.

「ねーなあ」とボヤきつつ, 最後にシドリ君の知合いの店に行ったところ, なんとそこには HiNote Ultra の 486 の奴のジャンクが山積みで存在していた. ディスプレイのヒンジが生きている奴を捜す. 連結可動部の破損は, ノートパソコンのトラブルとしてはわりとありがち だが, HiNote の場合もこれがけっこう多い. ジャンクの中でも, 連結可動部が生きているのは半分くらいだったから, 故障原因のかなりの部分がこのトラブルで占められていることになる.

俺が分解するからということで, ディスプレイだけ売ってもらうことにする. そういう買い方が出来る店というのも珍しい. ネジまわしをかりて分解し, ディスプレイだけを取り外した.

ところで, このモデルの匡体のパームレスト部には, なぜか塗装がハゲる というトラブルがある. 俺のマシンはキーボードばっかり使うので, キートップの印字も 消えてしまっており, パームレスト部もベロベロに塗装がハゲて, なかなか貧相なルックスとなってしまっていた. ディスプレイの部品取りに使ったマシンの 匡体はかなり綺麗で, パームレストのパーツもハゲてない.

キーボードと, パームレストパーツも買うことにする. 1000円. ディスプレイは 2000円でしめて 3000円. 相場がよくわかんないが, まあ, それで直るものなら安いもんだから, 買うことにする. 特に, キーボードは, 分解/組み立てのやりすぎでフィルムケーブルが 死にかけており, こいつの新しいのが手に入ったのは非常に嬉しい.

他に, 初代ペンチアムとかも落ちてたので買う. これは, 伝説の ソケット 5(ってゆうのか?よくしらねえ) であり, 50mmx50mm のサイズのソケット 7 よりもひとまわりでかい 55mmx55mm のサイズの, 巨大なプロセッサだ.

こいつは, 全面的にクソったれで「こういうプロセッサを作っては いけません」という見本みたいな製品であった. 歩留まりは悪く, クロックは上がらず, ダイは途方もなくでかい. 凄まじい発熱で, 「ペンチアムで目玉焼きができる」といわれたもの らしい. 俺はその頃パソコンに興味が無かったので知らんのだが.

無論, 使うためではない. バラし目的で買ってきたのである.

学校に戻ってから, さっそくマシンを分解してパーツを交換する. おおお! まるで新品に生まれ変わったぜ. うれし! キーボードも交換してやるぜ! と, ここで気が付いた. 俺の HiNote は ペンチアム のモデルなので, 486 のモデルと CPU の位置が違うのだ. キーボードが放熱版と兼用になっている ノートは多い. そんなわけで, 486用のキーボードは, そのままでは 放熱版の位置も, キーボード取り付けネジ穴の位置も違うので, 付かないんです.

しかもさらに気づいた. ネジが一本余ってる!(爆) ネジ穴の位置が微妙に違うところが一箇所あり, ネジがはまりません. あーあ. 難儀じゃのう. これは, ちょっとごまかしてなんとかした.

熱を伝えるために, CPU とキーボードを物理的に接触させるために, へんてこな透明のフィルムみたいのに穴があいているのだが, この穴の位置も当然ながら違っている. 穴をあけ直さないと, CPU からの放熱がうまくいかなくなるだろう. しょうがないので, だいたいの位置をマジックで書いて, ナイフで穴をあけた.

これでようやく本体は組み立てられるようになったわけだが, これがキーボードが調子が悪くて, 一回分解すると, なかなかちゃんと通電してくれなくて困る. フィルムケーブルがマジで死んできているのだ. 分解するごとに調子がおかしくなってゆく. 今回は k とか y とかが出なくなって困った. k でないと Ctrl-k で入力行が消せませんがな. てゆうか, kill コマンド入力できませんがな.

しかし, これもいじくりまわしているうちに, なぜか通電して動くようになった. これ,分解するといつもの事なんだけど, けっこう謎の現象だ. 自然治癒というのか(言わねえって). しかし, 次は無いかもな. ペンティアムのモデルのジャンクはなかなか無いそうだから, キーボードがいかれたら今度こそ修理だ. 今度分解したら, もうダメでしょ. 悲しいのう.

パームレストもなんとか収まり, キーボードも復活してみたところ, なんともはや. 美しいマシンですなあ. これは. 手垢は拭けば綺麗におち, まるで新品である(キーボードを除く). それにしても, ついに俺のマシンも ジャンク屋でパーツを漁って来ないとメンテできない段階に 突入してしまったのであろうか. むう. こうして普通に動いておれば何の問題も無いのだが, それにしても詫びしいものよのう.

さてお楽しみ, CPU 分解タイムがやってまいりました! 今回は オリジナル pentium(tm) と 486 DX2 の 2個! じゃあ彫金用のバーナの炎を裏蓋に当てます. ハンダの色が変わります. それ!剥せ!

ずぎゃーん! すげえぜ. オリジナル pentium のシリコンダイは, なんと 17mmx17mmm のサイズ. いままでバラした CPU ではブッチギリにでかいです. てゆうか, 蓋が開いた瞬間, 眼を疑ったね. AMD の K5 なんかメじゃないね. これは, ソケット 7 の pentium とは全く別のプロセッサですね. 集積度が低いので, 10倍のルーペで見てもけっこう面白い. 接写のきくデジカメなら, けっこうおもしろい写真がとれるはずなんだけ どなあ. デジカメ欲しいなあ.