ぶっちぎりでした


大本営発表です

JCRC シリーズ第7戦群馬CSCにおける 100km レースで大勝利。

展開

とりあえず会場に着いてからの話をしよう。

天気は曇。わりと涼しいコンディションで、水はボトル2本で足りそうな感じだ。 妻のレースがスタートし、これを撮影。その後俺のレースがスタートする。 補給食として神戸屋ベーカリーのアップルパイを一個買って来たのだが、 一個まるごとは具合が悪いので二つに割っておいてジャージの右ポケットに入れた。

俺と廣瀬さんは C クラス 11h 50m 過ぎにスタートする。

一緒に走るなかで手強いのは、 まず、前回の川場大会の優勝者である長部氏、 それに、前回俺が3位に終ったときに、2位争いで俺が差し負けた新井氏。 こいつは糸魚川で俺と一緒にスタートしたんだけど、 そんときのタイムも俺よりだいぶ良かった。 つまり、長丁場でも登坂能力でも手強い奴ということだ。 それから、ウゴーレーシングの細山正一氏、 こいつも糸魚川の常連で、 いつも上位に食い込んでる。 なんせ今年は5位、9h13mである。俺が 23位10h23mだから、 これだけ見たら勝負にならないわけだが。50過ぎのおじさんで、フレーム職人でもある。

スタート時に廣瀬さんに、そこらへんの手強い奴らを紹介。 俺としては、とりあえず新井氏をマークして、集団1/3くらいで走り始める。

コースの中でポイントになるのは1コーナー、 ヘアピン付近、バックストレート手前のきつい登りである。 それにしても集団が遅い。 登りが遅いのはしょうがないとしても、下り、特にコーナーが遅いなぁ。 みんなコーナーがへたくそだ。

3周ほど廻った時に、登りで長部氏アタック。 集団のペースが少し上がる。 ところが、バックストレートで50km/hくらい出てるところで長部氏落車。 おそらく前との接触だろう。集団に復帰してこなかったので、リタイヤのもよう。 リタイヤはいいが、怪我とか大丈夫かな。

この調子で集団が小さくなっていくといいな、と思ってたら明日は我が身であり、 次の周回で、最後の登り手前でフロントを変速したときに 俺がチェーン落しちまった!今更アウターにチェンジしても戻らない。 こうなると、もう、一旦降りて手で直すしかない。 やばい! 右はしに寄って自分で直す。 しかし、さすがに焦ってなかなか直らない。マズイぞこりゃ… 直った!すぐに飛び乗ってダッシュ。 たった3周で俺のレースは終ってしまうのか?

登りで集団が伸びており、登りが終るまでに第二集団に復帰することができた。 観戦していたチームメイトのコメントは、 「普通はそれでレース終りなんだけど、お前よく追い付いたな」。 ふふふ。脚だよ、脚。 つうか、こんなところで切札の登り脚を使っちまったよ。どうすんだよ。 そのまま第二集団でバックストレートの下りとホームストレートは休み、 そのあとの下り高速コーナーで 先の集団に追い付く。

「いやー、チェーン外れて終ったかと思いましたよー」 「これちょっと、トロくさくないっすか? ラスト近くで、いっちょ二人でブチかましてやりましょう!」 などと などと廣瀬さんと話をする。

そのまましばらく集団後方で休んでた。 バックストレートは下りでアタックもかからないので休めるわけで、 50km ほど走った所で、 そこでアップルパイを半分食べる。 また、ボトルの一本目がカラになったので、ホームストレートで捨てた。

50km くらいで S クラスに抜かれたが、これが B クラスの集団を抜いた時に、 青木君がアタックして S 集団に便乗したらしい。 バックストレートを走ってる時に、ホームストレートを逃げる青木君を目撃。 3周くらいしたら、チギレてるSの数人の選手と一緒に イッパイな感じで走ってるのが見えた。 大丈夫かな? 見ると30秒くらい後ろにメイン集団も迫っており、 さっさと集団に戻った方が良さげな感じはするのだが。

そうこうするうちに、気づいたら新井さんも俺の居る集団から消えている。 落車に巻き込まれたのか、それとも調子が悪くてやめたのか。 これで知っている強敵は細山さん一人。

まったり走ってるうちに、 メータの距離表示が 70km になっている。 いかん。こりゃそろそろ誰かアタクするやつが出るやもしれん。 アップルパイの残り半分も食って、 集団の前に出る。 もちろん、簡単に前に出られるわけもなく、 登りでスピードが落ちた奴の前に割り込んだり、路肩を使って前に上がるわけだ。 集団レース2戦めの俺にそんなことができるのは、 このへんのノウハウを、廣瀬さんにもらったヨーロッパのレースのビデオと、 付随する市川雅敏の解説で仕込んだおかげである。 バックストレートで前の方を走ってる奴が居るので、 そいつまで追い付いて「ここが先頭?」 「いや、まだ何人か前に居るみたいっすよ。」

なにー!なんてこった!! 俺が集団の後ろでパン食ってうろうろしてるうちに、 既にアタックが決まっちゃったってわけ? 冗談じゃねぇぞ。 何があろうと先頭集団に追い付かねば。 そいつと、「よーし!一緒に追っかけましょう!」ってことで、 俺が先頭引いてホームストレートへの高速コーナーを下る。 ホームストレートで先頭交替するが、奴はイッパイイッパイ。 なんだよ、後ろに付いてたくせに。こりゃあんまり期待できないな。 ホームストレートでは 妻や廣瀬さんの奥さんは俺がアタックしたと勘違いして大絶叫である。 後ろは集団が全然付いて来ないので、まぁ、アタックと言えば言えなくもないが、 それにしてもなぜ、誰も反応せず簡単に先行させてしまうのであろうか? 脚が無いのか根性が無いのかどうせ捕まると思ってるのか、 判らん。 まぁなんでもいいや、 おめぇらせいぜいのんびりしてろ。俺がレース終らせてやる。

ほどなく次の下りで先行する奴を何人か見付け、と合流。 「よーし、一緒に行きましょう!」 1コーナーを俺が3番手でクリア。コーナーのスピードが上がらないので、 2コーナーで俺が先頭に出て、右ヘアピン。当然、俺が先頭だから、 ここはコーナリング技術の全てをつぎこむ。 ギリギリまでブレーキをかけず、後ろに荷重を移して一気に減速、 重心を低くして最短ラインを抜け、次の切り返しも最短ラインをノーブレーキでクリア。

普通、こうなりゃ俺のやった通りに走ってピッタリ付いて来るもんだと思うだろ? なんせ、アタックしてるんだから。集団抜け出してるわけだから、 好きなラインを走れるし、最短ラインは一つしか無く、それは俺の走った通りなんだから。 そしたらいきなり後ろ、居なくなってるんだもんよ。ガッカリですよ。 お前ら一体、何なんだよ。やる気あんのかコラ。

俺が先頭なのか?それとも前に誰か居るのか? そのままそこそこのペースで寂しく一人旅。 すると、移動審判車(バイク)と併走している奴を 発見。どうも、こいつが先頭らしい。 「ちわーす。御一人ですか?」「ええ、まぁ」「しばらく一緒に行きますか?」 「ええ、行きましょう」

半周ほど一緒に走ったが、登りでペースが合わず、 彼も脱落。 なんてこった。俺一人になっちまったぞ。 どうすんだよ、おい。 まだレース、4周 20km以上残ってるぞ。

ところが、ですよ。 なんと、 俺には秘密兵器があったのですね。 それは、本番3日前に届いたばかりのニューホイール。 Campagnolo EURUS である。 こいつの凄いところは、同社の登り決戦用ホイール NUCLEON とほぼ同じ重量のくせに、 空気抵抗にも配慮した高速巡行設計を採用しているところだ。 登りでブッチギリ、そのあとの下りや平坦で、そのリードを決定的にする、 という反則的に高性能な車輪である。

ここまで走って判ったことだが、このコース、 実は俺に対して集団有利な区間はごく限られている。 なんせ、みんな運転ヘタクソだから、コーナーで先頭交替とかできないし、 そもそもうまく先頭交替できたとしてもどっちみち一人一人が俺より遅い。 登りは問題外なんで、 集団有利なのは直線の下り区間だけ、 つまり、バックストレートくらいなのである。 そこで eurus だ。 体重 54kg の俺は下りでどうしても空気抵抗の関係上不利だが、 この車輪のおかげでその不利も帳消しだ。

下りはトップギア入れっぱなしでガンガン飛ばす。 1コーナーの入口で、ペダルを止めるのが遅くて掻いちゃった。ヒヒヒ。 あれはマジ焦ったね。

S クラスの遅れてる集団に追い付いた。 移動審判が俺と併走しているわけで、 S の選手をドラフティングに使ってると おこられる。無論、警告されるまでドラフティングするさ。 審判が見てなきゃ何やってもいいし、見てても言われなきゃ平気なのさ。

そのうち、 登りで B クラスの集団に追い付いた。 ドラフティングしつつ順位をあげ、登りになったところでチギる。 メーターを見ると 86km の表示。 あと 16km か。残り何周だろ?

ホームストレートで、妻に「あと何周だ?」どどなる。 「判らない」との返事。 本当なら、後続とのタイム差なんかを教えてくれると助かるんだが、 走ってる本人よりも全然舞い上がっている様子。 すると、ゴールに居る審判が 「あと2周だ!」と教えてくれた。 なんてこった、まだ 12 km もあるのかよ。 長いねぇ。 やっぱホビーレースで 100km は尋常じゃねぇな。

ヘアピンぬけて、アップダウンをこなしてたら青木君に追い付いた。 かなりしんどくなってたところに、うまい具合に審判が居なかったので、 「引いてくれー(笑)」と冗談半分に頼んだら、 本当に登りが始まるまで引いてくれた。感謝!

俺さまの激走ぶりは知らない人にも大人気であり、バックストレートでも応援が 凄い。バックストレートの最後で空になった最後のボトルを投げ捨て、 荷物ゼロに。ホームストレートに廻ってくると、 審判から「ラストォ!」の声。「ぎゃー」とか妻その他応援団も絶叫しておる。 俺は「どりゃー!」か何か吠えながら、ホームストレートの登りを 立ち漕ぎでクリアし下りに突入したが、立ち漕ぎしなきゃよかったと 激しく後悔。

けっこうイッパイになりつつ最後の登りをクリア。 ゴールでは妻や廣瀬さんの奥さんが大狂乱。 両手放してゴールするとおこられるので、 片手でガツポーヅしつつゴール。 結局、 5 周近く独走したわけだ。 それにしても、一人逃げるのは良い気分だ。 しかもブッチギリ勝ち。 軽くひとヒネリってわけさ。

表彰式

今回は表彰台がある。 なんせ、群馬 CSC だからな。 一番高いところに登りました。 登る前に、ズボンの前チャックがあいてるのを発見。笑。 2位は、最後に俺が置き去りにした池畑さん。 彼も最後まで逃げ切った。 「いや。あんたむちゃくちゃ速いわ。もう、全然手に負えんわ。」 彼もシリーズ戦初参加で、この脚だから、ちょっと下目のクラスに出て 勝ちを狙ってた模様。 俺と同じ試合に出たのが不運だったな。はっはっは。

一位賞品は、なんと、折り畳み自転車だよ。 えらい太っ腹やのう。 どんな折り畳み自転車かのう。

ユキリンは、他にも浜さんが S で 8位に、岩橋君が A クラスで 2 位に、 加藤さんが E で 9位に入り、今回もなかなかの成果を挙げたのであった。

分析

まず、反省点。だめだったところから。

いくらなんでも集団最後尾で休むってのはやりすぎ。 そんなところに居たら、コーナーで先頭でアタックがかかっても 見えない。プロじゃあるまいし、俺の代わりに誰かアタックを潰しに行ってくれる 奴が居るわけじゃない。勝つ気があるのなら、常に先頭が見えるところに居るべき。 まぁ、最初は勝つ気はなく、完走狙いってのもあったんだけどさ。

それから、チェーン落すって、シロウトかよ!だっせー。

むろん、うまくいったところも多い。まず、なんといっても ライディングテクニックの差。これを感じたね。みんな 運転ヘタクソなんだもんよ。 運動能力的に余裕があったというのもあるが、 集団でカーブ曲りながらアップルパイを食う余裕があったのは、 俺くらいのもんだろ。ヘアピンでも、 下ハン持って攻めることなくエスケープグループをチギってしまったし。

登りだけじゃなくコーナリングテクニックも、切札の一つってことだ。 市川雅敏が下り区間のレースの解説で、 技術のある無しが決定的な要素の一つになるような事を言ってて、 「ほんとかよ?」 と思ってたんだけど、本当でしたね。 逆に言うと、へたくそだとコーナーを抜ける度に脚を使わされてしまい、 不利になるということだ。 なんせ下りで脚を使わされると効くからな。

もちろん、今回はついてた。落車がけっこうあったが、 一度も巻き込まれなかったし、チェーン落した時も、後ろから追突されなかった。

補給もうまくいった。補給といっても、貰ったわけじゃなくて、自分で持ってたんだけど。 水は 1.2L で足りたが、もう少し飲み伸ばして、最後の周回までもたせりゃよかったな。 ラスト8kmで飲み切ってボトル捨てたが、 最後がけっこう辛かった。 これは技術の話とも関係するのだが、 テクニックが無いと、レース中に食事するのも難しいね。

そして、機材もバッチリ決まった。 このホイールは最高だ。 もう俺は普通のホイールで平坦走るのヤだ。 ギア比も適切だった。 12-23 に 52-39。これ最強。

お供え

これで 一年まえにたてた目標 を達成できたわけだ。 しかもぶっちぎり、後続に2分差をつけてな。 この自転車の正しい使い方というものがあるとすれば、 これである。 こいつは、俺が乗って他のどの自転車よりも速く走るために作られているのだ。

俺がヘタレなせいで、こいつもここまでずいぶん悔しい思いをしたに違いない。 「第一位」と書いてある賞状を "お供え" として洗濯バサミで変速ケーブルにブラさげてやり、 チェーン洗ってワックスかけてやった。 これで許せ。


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